トーキョーナガレモノ

日本映画の旧作の感想。でもそのうち余計なことを書き出すだろう。

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美保純

NHK連続テレビ小説あまちゃん」を見ていたとき、データ放送でキャストのプロフィルを一つ一つ観ていたら、物語の舞台である北三陸袖ヶ浜の海女のひとり、熊谷美寿々を演じる美保純のプロフィルが「映画でデビュー」としか触れられていなかったのが少し気になった。小泉今日子薬師丸ひろ子も○○でデビューと書いてあるのに。

 

文字数の関係でカットしたのか大人の都合なのかはよくわからないが、美保純は1981年に日活ロマンポルノ女優としてデビュー、翌年の「ピンクのカーテン」でブレイクした。(所属事務所の公式プロフィルはこちら)。漫画を原作とするこの作品で、美保はサンシャイン60を望む実兄(阿部正彦)のアパートに転がり込み、心優しく気弱な兄を近親相姦の妄想で悩ませる奔放で美しい妹役を好演した。

 

80年代の日活ロマンポルノには「百恵ちゃん」日向明子、「聖子ちゃん」寺島まゆみといったルックス重視の「アイドル女優」がいた。美保もその一人。そういう意味では、かつてアイドルだった大人たちの物語である「あまちゃん」に美保が出演するのは、小泉今日子薬師丸ひろ子が出るのと同じくらい自然なことと言える。

 

「ピンクのカーテン」の大ヒットが契機となり、同シリーズの続編ののち美保は早々に日活を卒業、「男はつらいよ」でのタコ社長の娘役をかわきりにメジャー女優のキャリアを進み始める。

 

かつては韓国でも海女をやっていたという、駆け落ちを繰り返した恋多き女という「あまちゃん」での美保の役どころは、どこか「ピンクのカーテン」のその後を思わせる。