トーキョーナガレモノ

日本映画の旧作の感想。でもそのうち余計なことを書き出すだろう。

注意)本・DVDなどへのリンクはAmazonのアフィリンクです。ご了承下さい。過去記事一覧はこちらです。

CM入れすぎ「午後ロード」は本編をどれくらいカットするか

テレビ東京で平日の午後1時半から放送している2時間枠の「午後のロードショー」、通称「午後ロード」または「午後ロー」。

 

仕事があるので普段は見られないし、録画してまで見たいと思うようなラインナップでもない上に、下に書くような理由で積極的に観る気はしないのだが、全般的に低調なテレビ映画番組界でB級・アクション中心路線で独自の地歩を固めている。

まあ確かに、いくら「アバター」のジェームズ・キャメロンのデビュー作だからといっても「殺人魚フライング・キラー」みたいなゲテモノ、もとい珍品を放送してくれるのは午後ロード枠くらいしかないわな、と思う。

 

午後ロードで何より気になるのはCMの多さだ。まず最初の3分がいきなり三越テレショップ。その後も本編10分おきに3分のペースでダイエット食品とか外資系保険のCMが入る。CM優先で番組を構成しているので割を食うのは本編である。カットしまくりで時にエピソードが丸ごと抜けていたりする。これが見る気を失わせる最大の理由だ。

 

午後ロードは洋画が中心だが、先週は珍しく高倉健特集で「新網走番外地」シリーズを3日連続で流していたので録画して見た。第1作「新網走番外地」(マキノ雅弘監督・1968年東映)、第2作「新網走番外地 流人岬の血斗」(降旗康男監督・1969年東映)、第4作「新網走番外地 大森林の決斗」(降旗康男監督・1970年東映)の3本。

 

ありがたいことだ。 生涯に200本を超える作品を残した偉大なカツドウ屋・マキノ雅弘を忘れずにいてくれる良心的なテレビマンがいるのだから。B級枠とかつべこべ言わずに見るしかない。

 

気になるCMカットの長さだが、表にまとめるとこうなった。

 

  オリジナル 放送本編 カット
網走番外地 94分 92分 2分 (2%)
同 流人岬の血斗 109分 92分 17分 (16%)
同 大森林の決斗 105分 92分 13分 (12%)


二本立て興業が主流の時代の映画の長さは90分前後、とすると3本の中で最も標準的な長さの「新網走番外地」は午後ロード枠でもあまりカットを気にすることはなかったことになる。逆に言えば、午後ロードでCM入れられまくっても気にならないオリジナルの尺はせいぜい90分くらいまでだということだ。

「流人岬の血斗」では悪役の一人が健さんに斬られないまま映画が終わっていた。まあこれも仕方がない。このご時世に東映任侠映画がテレビで見られること自体が貴重なのだし。