トーキョーナガレモノ

日本映画の旧作の感想。でもそのうち余計なことを書き出すだろう。

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Google Earthよりリアル地球儀

今週のお題「今年買ってよかったもの」〈2014年をふりかえる 2〉

 

世界で日々起こっている出来事について、各自で気になるテーマを持ち寄って少人数でざっくばらんに話し合う勉強会を職場で主催することになった。 勉強会の目的の一つが地理感覚を養うことだったので、最初は部屋に設置したPCでGoogle Earthを皆で見ていたのだが、そのうちやっぱりリアル地球儀があったほうがいいという話になり、2675円でこの地球儀を買ってみた。

地球儀 21-GK

地球儀 21-GK

 

 

地球儀をクルクル回してモザンビークはどこにあるとか、北極から見るとカナダとロシアがいかに近いかとか、「イスラム国」の勢力圏はどこかといったことを話し合ったのだが、そういう気づきを掘り起こすには普通の地球儀で十分だ思った。

 

この地球儀は小中学生の学習用を想定しているが、オフィスでの利用にも充分使えると思う。驚いたのは印刷の美しさだ。自分が小学生だった数十年前の地球儀の印刷はもっと雑だったように思う。この地球儀は小さな文字でもかなり鮮明に見える。よく見ると海底の深度や海流もわかるようになっているのに気がつく。

 

ただそれでも、バルカン半島のモザイク状に入り組んだ国々は21センチサイズの地球儀では表示しきれず、拡大図を別紙添付という形になっている。26センチサイズにすればよかったというのが後悔。

 

Google EarthにはGoogle Earthの良さがある。地名検索すれば一発でジャンプできるし、レイヤーを重ねてオリジナル地球儀を作ることも、ストリートビューまで一挙にズームインすることもできる。

 

だが世界のどこで何が起きようとしているかをストーリーとして直感的に把握するのには、モノとしての地球を一つ持っておくことは決して無駄ではないだろう。

たとえば、中米のニカラグアに、パナマに次ぐ第二の運河を建設しようという壮大な計画がある。資金は香港の企業グループが拠出し、建設と数十年に及ぶ運営もするとのことだが、数兆円に及ぶと見られる建設資金をファイナンスする力はいかに巨大でも一企業にはないはずだ。おそらくこの計画の背後には中国政府がついている。とすれば、既にパナマがあるのに中国はなぜわざわざ運河を建設しようとするのかという疑問がわいてくる。

中国の狙いは何だろう。今中国は周辺アジア諸国との軋轢を覚悟の上で太平洋進出を目指しているが、おそらくは太平洋を越えたその先を見据え、大西洋の向こう岸、資源の豊富なアフリカ大陸西海岸とのパイプを強化しようとしているのではないか。

 

そういった推理も、中国大陸から大平洋、中米、大西洋、アフリカへと地球儀をなぞっていくと浮かんでくる。

もちろんこのストーリーに確信があるわけではない。たぶん外れるかもしれない。大事なのは正しい予測ができるかどうかではなく、そうやってストーリーを考えるクセを地球儀で身に着けることだと思っている。