トーキョーナガレモノ

日本映画の旧作の感想。でもそのうち余計なことを書き出すだろう。

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蟹江敬三

3月に胃癌で亡くなった俳優・蟹江敬三のお別れの会が5月13日に都内で開かれたそうだ。

蟹江敬三さん『お別れ会』に700人参列 能年ら“あまちゃん”ファミリーも ニュース-ORICON STYLE-

 

蟹江敬三がいつ頃からテレビに進出したのか記憶が定かでないが、70年代は日活ロマンポルノにも出演していた。

ということで新橋のピンク映画専門館、新橋ロマン劇場蟹江敬三を追悼してロマンポルノ出演の3作品を上映している(5月15日まで)。

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上映作品を同館作成のチラシに沿って紹介する。良いチョイスだ。

「天使のはらわた 赤い教室」(曽根中生監督・1979年日活)

ブルーフィルムに映る女に心を奪われた、ポルノ雑誌の編集者村木。彼はある日その女、名美と出会い、再会を約束するがーー。

堕ちていく女と、その女を求めた男を描く愛の物語。蟹江敬三曽根中生、双方にとってもロマンポルノでの代表作となった傑作。

「犯す!」(長谷部安春監督・1976年日活)

奥手の女子事務員夏子は、自宅マンションのエレベーターで強姦魔に襲われる。男を憎みながらも忘れられない夏子は、次々と別々の男たちと関係を持ち…。

「強姦の美学」と称えられた蟹江の演技が強烈な印象を持つ、長谷部安春によるバイオレンスポルノ!

「花芯の刺青 熟れた壺」(小沼勝監督・1976年日活)

かつて憧れの歌舞伎役者に犯された記憶を持つみち代の前に、その役者の面影を持つ息子が現れる。彼との出会いにより何かが変わったみち代は、彫り師の辰に刺青を彫ってくれと頼むーー。

蟹江が鬼気迫る表情で針を打つ、刺青のシーンからのクライマックスは圧巻。

時間の都合で「花芯の刺青 熟れた壺」は見ることができなかったが、前二作はいずれも蟹江の忘れがたい存在感を観客に刻印する。

 

驚くのはこの当時から「あまちゃん」に至るまで、蟹江の顔が加齢と共にあまり変わっていないことだ(白髪がいい感じにジジイっぽくなったのは別として)。もともと、一緒に飲むと絡まれてめんどくさいことになりそうなクセのある顔だが、それを保ち続けられたのはすごいことだと思う。

 

合掌。

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